+++++++ carry out39【除霊! 除霊! また除霊!!】+++++++

 最近どうにも頭にきていることがある。何って、テレビでよくやる「悪霊VS 除霊する人」みたいな番組よ。まぁ昔からあるもんだし、近年「陰陽師」ブー ムで盛り上がってるからしょっちゅうやるのもわかる。が、各局とも差別 化を はかるためにとんでもない「除霊」を持ち出してくるようになった。それが非常に不愉快きわまりない内容なのだ。これは「別 にテレビなんてたいていヤラセだからいいじゃん」という問題を越えている。 ヤラセとわかっている人はいいが、最近の社会問題とうまくミックスした作 りになっていて、逼迫した状況下でまともな判断力をなくしてしまっている人 が見れば、ついフラフラと除霊する人を探しにいきそうなのだ。これは、まず いんではないかと思う。

 まずは、「ひきこもりの息子が霊にとりつかれている」という話。
  少年A君は中学生。勉強もよくでき、明るい性格だった彼が突然、学校に行きたくなくなり、「引きこもり」になった。
なぜかと母親が尋ねると、A君は「外に出ると霊が見える」と答えたという。しかし最近では家の中にいても霊が見えるようになってしまい、部屋で撮った写 真にも怪しい光がうつっている。それで不安になった母親がテレビ局に手紙を送ってきたと言うのだが……あああ、つっこみどころが多すぎて困ってしまう。まず「引きこもり」の少年。「明るい性格で友達も多かった」という子が突然引きこもってしまうというのはよくある話である。また、除霊するために入った少年の部屋にはテレビにゲーム、パソコン……と現代の少年の必須アイテムが揃っている。そりゃ学校に行きたくなくなるわな。と、私などは思うのだが、「どうして学校に行かないの?」と聞いて「霊が見える」と答えた子どもの言葉をマに受ける母親もどうかしている。
私なら、まず「そんなもんがお前に見えるかーーー!!」とつっこんで、テレビとゲームとパソコンを放り捨てるだろう。 で、「心霊写真」はどうか。これもどうってことない作りなのだ。部屋の照明のせいだろう。「何枚撮ってもこの小さい光が消えないんですぅ」と母親は言うが、たぶんいつも撮る場所が同じだからだと思う。旅先で撮った子どもの頃からの写 真にも「いらっしゃる」んだが、たぶんちょっとでも映像に携わっている人が見れば「光のせいでしょ」と一言で片付いてしまうものばかりだ。……と、ここまで素人の私がつっこんでも、ヤハリ除霊ははじまるのである。何やらごにょごにょと唱える除霊師さん。正座させられたA君の体がグラグラと揺れはじめる。「この者にとりついている者、出てこい!!」と除霊師さん。しかしA君はグラグラしているだけだ。……すると大変なことが起こった!なんと、除霊師さんの隣にいたA君の母親までグラグラしはじめたのである。もう私はこの時点で大爆笑。そして母親は、グラグラしながら息子に呼びかけた。「一緒に逝こう……」と。ギャー(大爆笑)。

なんでもその母親(にとりついた霊)が言うには、数十年ほど前、夫婦で心中したのだが成仏できず、A君とその母親にとりついたらしい。 ウーン。死んだ人間を悪く言うのもナンだが、「今まで何をしていたんですか?」と思わず問いかけたくなるのは私だけか。結局この夫婦霊は除霊師さんの説得により見事、成仏。めでたしめでたし。

 で、話はそこで終わらない。スタッフが新聞をめくって調べてみたところ、確かに数十年前に母親(にとりついた霊)が言っていたような一家心中事件が実際に起こっていたらしい。しかも、A君の住んでいる県より400kmは離れているであろう県で。
この夫婦霊、わざわざ400kmも離れたところから移動してきたのか。まぁ霊体だから簡単なのかもしれないが、もっと近くにとりつきやすそうな人はいなかったのか。やはり聞きたくなる。 「今まで何をしていたんですか? マジで。」 ちなみに除霊中、A君はグラグラしているだけで一言も発さず。心中事件が起こった頃、A君の母親はもちろん生まれているであろう。導かれる結論はたった一つしかないが敢えて書くまい。
  ただ、A君はものすごく不幸であるということは確かだ。母親が学校に行けなくなった自分を心配してくれるのはいいが、なぜそれを行動に移した結果 が「テレビ局に手紙」なのか。もっとしかるべき機関がありそうなものだが。またこの家には当然、父親もいるのだが、まったく姿を現さなかった。「父親の存在の薄い家」、あるいはアホらしくて隠れていたのかもしれない。
 この除霊で本当に彼は学校に行けるようになったんだろうか?
 そこまできちんと放送すべきである。いわゆる「仕込み」にしてもだよ。
次。新妻が突然お化けにとりつかれてしまったというもの。じっとしていたかというと、いきなり「ぎゃははは! 皆、死んじまえ!! バッキャローコノヤロー!!」と笑い転げる新妻。 ちなみにこの彼女、旦那の家族と同居の身。しかも旦那の両親、祖父祖母、兄弟とやたら家族が多い。……ストレス溜まってたんだね。除霊師さんがシャンシャンとお祓いして終わり。次いこう、次。

次の話。ちゃんと覚えてないんだがこんな原稿を書くならよく見ておけばよかったな……、とにかく若い男性(30代?)。やることなすこと、うまくいかない(就職したのに会社が倒産とか)うえに、病気になったり事故に遭ったりするという。まぁ、ツイていない人はいるものだ。よく「要領が悪い」とも言われるが。
除霊師さんが登場して、さっそく「霊視」。 すると除霊師さんが彼に聞く。 「若い頃、身近な人が亡くなっていませんか?」 ……この質問に「ノー」と答えられる人のほうが少ないと思うが。案の定、 彼は思い当たるふしがあった。 「19のとき、一番の親友をバイクの事故で亡くして……」 「それだ! 彼が君を一緒にあの世につれていこうとしているのだ。」 私は真剣に腹が立った。いくら死んでいるとはいえ、「一番の親友」を悪く言われて腹の立たない人間がいるだろうか。というかだね、その親友の家に行って「おたくの息子さんが私にとりついてあの世に連れていこうとしている」と言えるか!? 言えないだろう! 言ったとしてもたぶん塩をまかれるだろう!
  そうなのである。最近の除霊モノは信憑性を高めるあまり「新聞にも載っていた!」などと強調するが、いくらモザイクで名前を隠してもわかる人にはわかるだろう。それも知り合いだったりしたら、どう思うか。「あいつは死んでまで……」 人が死ぬと人権を失うのは当たり前の話が、死んだあとのプライバシー(?) を暴く必要はないであろう。これはBROに引っかからないのだろうか。だいたい、なんでも死んだ人間のせいにするというのはおかしい。あとでも書くが、 そんなに世の中はうまくいかないのである。 とりあえずこの男性、除霊してもらって、晴々とした笑顔で言う。 「これからはどんなことがあっても(霊のせいだと考えずに)がんばっていき ます」 まぁ普通の人は最初からそう思ってがんばってるんだけどね。

 最後のパターン。これは深刻だ。女の子が難病にかかっている。学校に行けない。
この話だけで2時間ドキュメントが作れそうだが、そこは「ドキュン」(あ、 番組名いっちゃった)。
除霊師のおっさんが登場して「悪霊のせいだ」と断言する。そしてお祓いをはじめると奇跡がおこった! 病気で歩けなかった彼女が、 立ち上がったのである!! でもまぁ、当たり前だがそれで完治したわけはなく、彼女の闘病生活はまだ まだ続くのだが…… この番組のあと、他局で「プラシーボ効果 」を放送していたのだが、難病をもつ子どもの御家族の皆さんはそれもちゃんと見ただろうか。プラシーボとは つまり「偽薬」のこと。ただの小麦粉を「酔い止めですよ」と言って渡して飲 ませると、いつも車酔いに悩まされる人が長時間車に乗ってもなんともならな い、といういわゆる「思い込み」による作用である。ここまで書けば、先程の 難病の少女もお祓いがプラシー効果になったんじゃねえかとおわかりの方も多 いだろう。

しかし、引きこもり、同居、会社の倒産、難病といった過剰なストレスを抱 えた人々には、「お化けのせいだ!」と強くいわれると「そうなのかなあ」と思 ってしまいやすいのも事実である。そしてまた、同じような状況の人々が「じ ゃあ私の問題もお化けのせいじゃないかしら」と思うことも。
テレビではしょ っちゅう「除霊師さんについてのお問い合わせは受けていません」などとテロ ップを流しているが、せっぱつまった人々はどんな方法でも除霊師さんを探し 出し、お祓いをしてもらうだろう。 確かにこの世の中、いろんなことが起きる。それを自分のせいにするのでは なく、「お化けのせいだ」と思えば少しは気が楽になるだろう。 しかし、それは本当にその人にとって良いことだろうか? もっと、別 の意 味でまじめに考えてみる気はないんでしょうか。世の中には確かに説明できな い不思議な事件もある。しかし、「なんでもお化けのせいだ!」という論理で「そ ごうの倒産」や「雪印の不祥事」が説明できるか。あれは明らかに生身の人間が悪い。
どんなにすごい悪霊がいたって、世の中を動かすことはできない。生身のほうが強いんだから。 まーそんなに目くじらをたてずに「除霊エンタテインメント」と思って見れ ばいいんだが(テレビ局サイドも明らかにそれを意識している)、意外と皆さん マジで見ているようなので書いてみました。以上!

5/13/2002 yuka    TOP PAGE

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